湊かなえの「リバース」-深瀬和久のネタバレ感想文

湊かなえの小説「リバース」に登場する深瀬和久(ふかせ・かずひさ)のネタバレ感想文です。

リバース-深瀬和久のネタバレ感想文

深瀬和久は小学生の時から誰にも声を掛けられない地味な人間だった。

勉強は出来たので、中学から注目されるだろうと期待していたが、通っていた中学校はテストの成績を公表していなかったので、深瀬和久は中学でも地味なグループのままだった。

深瀬和久は実力を発揮するは高校へ入ってからだ考えて勉強を頑張り、地元で一番偏差値の高い高校へ入れる成績だったが、父親が癌になり、金銭的な問題から、近くの公立高校へと進学した。

高校時代は、都会の良い大学へ進学するために勉強に専念し、明教大学へ進学する事が出来た。新しい住所は誰にも教えずに大学生活をスタートした。

深瀬和久は受験勉強をしていたときに、母親に頼んでドリッパーとコーヒー豆を買ってもらってコーヒーを淹れるようになっており、大学に入ってからはコーヒーの専門書などを読んで、研究するようになり、コーヒーが唯一の取り柄となった。

結局、深瀬和久は大学へ進学しても地味グループで常に疎外感を感じながら生きていたが、大学4年生の時に同じゼミの広沢由樹と出会い、広沢由樹が人生で初めての親友となった。

大学4年生の夏、同じゼミの村井隆明に誘われて、長野県と新潟県の間にある斑尾高原の別荘へ行き、飲酒運転をした広沢由樹が崖から転落して死んだ。

深瀬和久は銀行への就職に失敗し、小さな事務機器メーカー「ニシダ事務機」に就職した。

ニシダ事務機で深瀬和久が必要とされたのは、唯一、コーヒーを淹れることだったので、深瀬和久は本格的な豆を買うようになり、コーヒー豆専門店「クローバー・コーヒー」に通うようになった。

そこで、クローバー・コーヒーの奥さんのお節介もあって、クローバー・コーヒーに通っていた越智美穂子と交際する事になった。

しかし、数ヶ月後、越智美穂子の元に「深瀬和久は人殺しだ」という手紙が届き、越智美穂子が心配したため、深瀬和久は唯一の親友・広沢由樹が死んだ事を打ち明けた。

深瀬和久は「仕事だから仕方が無いよ」と言ってくれると思ったが、越智美穂子から「それは無罪とは言わない」と言われてしまう。

その後、ゼミ仲間の浅見康介・村井隆明・谷原康生の3人にも同様の告発文が届いている事が判明し、深瀬和久は犯人を捜すために、広沢由樹の故郷である愛媛県を訪れ、広沢由樹の地元の友達から話を聞いていく。

そして、深瀬和久が知らなかった広沢由樹の一面を知る事に成り、深瀬和久は広沢由樹の事をノートに書き綴っていく。

やがて、広沢由樹の彼女は越智美穂子だと判明し、深瀬和久は意を決して越智美穂子と再開し、越智美穂子から広沢由樹の過去を聞き、2人は復縁して、一緒に広沢由樹の事をノートに書いていくことにした。

しかし、結末で広沢由樹が蕎麦アレルギーだったことが判明。深瀬和久は、事故の当日、蕎麦から取った蜂蜜をコーヒーに入れており、深瀬和久が淹れたコーヒーが原因で、広沢由樹は蕎麦アレルギーを起こして死んだ事を知るのであった。

深瀬和久の感想

湊かなえの小説「リバース」は面白かった。イヤミスの女王と呼ばれるだけのことはあり、最後にドローンとした淀んだ気持ちにさせられた。本当にスッキリしない結末だ。

「蜂に刺されてアナフィラキシーショックを起こして死んだ」という結末なら、まだ救われると思うのだが、「深瀬和久が淹れたコーヒーが原因で蕎麦アレルギーを起こして死んだ」というのは何とも嫌な所を付いてくると思った。

ただ、深瀬和久は広沢由樹が蕎麦アレルギーだったことを知らなかったし、道の駅で買った蜂蜜が蕎麦から集めた蜂蜜だとも知らなかったのだから、「広沢由樹を殺した犯人」とまでは言えないと思う。

そもそも、深瀬和久は何も知らなかったし、殺意も無かったのだから、広沢由樹が死んだのは事故だと思う。

ところで、私は小説「リバース」を読み終えた後、深瀬和久は蕎麦アレルギーを知っていて、広沢由樹を殺害したとしたら、どうだろうか?と考えた。

越智美穂子は広沢由樹に多額の保険金を掛けており、深瀬和久に蕎麦アレルギーの事を教えた。

一方、深瀬和久は越智美穂子の事が好きになり、広沢由樹のことが邪魔になった。そこで、広沢由樹の蕎麦アレルギーを利用して、事故を起こさせて殺害した。

深瀬和久は越智美穂子と結婚して、愛媛県へ引っ越し、広沢由樹の保険金を元手に喫茶店をはじめた。私はなら、こんな結末にしたと思う。

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